第244章

冷たい風が吹き抜けた。

藤原邦達はぶるりと身を震わせる。

ここは墓地だ。藤原園歌の墓は、すぐ前にある。そんな場所で島宮奈々未を見れば見るほど、背筋が寒くなった。

今すぐ踵を返して逃げ出したい――そう思うほどに。

島宮奈々未の笑みも、どこか湿っていて不気味だった。藤原邦達が怯えたのを見て、彼女はくるりと背を向けて先へ進む。胸の奥で、そっと息を吐いた。追ってこないでくれれば、それが一番だ。

歩きながら、助けを呼べそうな人影がないか目を凝らす。同時に距離も計る。藤原邦達がこれ以上近づけないなら、隙を見て走る。

座して死を待つなんて、彼女の流儀じゃない。

――それでも。

藤原邦達は、...

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